無敵キャンディー

NEWSに星をまき散らします

傷痕に流れるものは

「NEWSな2人」を見て、私はとある番協に参加した日のことを思い出していた。


それはNEWSが出演する歌番組にて。


私の隣にいた人の腕には、傷痕が刻まれていた。
そう、リストカットの痕だ。



今まで媒体や言葉としては見たことがあったが、実際に見たそれはあまりにも衝撃的で、痛切で、生々しいものだった。



その人は手越担で、とても優しかった。
背が低い私のことを気遣って「大丈夫ですか?見えますか…?こっちどうぞ」と言葉をかけてくれた。


「ありがとうございます」


私はそれ以外に言葉をかけられなかった。
リストカットのことなんて絶対に触れてほしくないだろうし、ここはすべて忘れて楽しむ場所だ。第一、全く知らない人からそんな事言われたら気持ち悪い。

だからせめて、「今日は楽しみましょう」と、その言葉に想いを込めた。あなたの日常がたとえ地獄のようなものだとしても、今日は楽しい日であるように。


どうしてこの人はこんなに優しいのだろう。
けど、どうしてこの人は自分に優しくしてあげられないのだろう。
こんな場所くらい、自分を優先してあげてよ……と思った。


でも、彼女の痛みは、彼女にしかわからない。私に何かいう権利もなければ、干渉するのも違う。
想像でしかないけど、彼女はきっと自分より他人を大切にしてしまう。自分の傷なんて忘れてしまっているのか、気づかないようにしているのか………そしていつからか、それが癖になっているのかもしれない。



そんな痛みを背負っていても、彼女はあの日、NEWSに会いに来た。


私よりもずっと可愛らしい格好で、ずっと綺麗なメイクで、NEWSのために、あの場所にいた。


NEWSは、希望だ。


あの日NEWSに会うということが、彼女にとってどれだけの支えとなっただろう。「明日」を生きる糧となっただろう。


傷を撫でて欲しいわけでも、同情してほしいわけでもない。ただ、大好きなNEWSに会いたいから、そこにいた。

自分が好きな人たちのーーーあの瞬間でいうNEWSの前では、どんな闇だって辛さだって全面降伏なんだ。
性別、国、年齢、容姿……なんて関係ない。もちろん、リストカットをしていたとしても、ひとりの「NEWSのファン」として帰属する。そこでは「NEWSが好き」という共通認識で繋がれるのだ。


あなたは、ひとりじゃない。




NEWSが歌い始めた。
ふと横目に見ると、彼女は泣いていた。


「あなただけは消えないで」



その歌詞にリンクした姿。もしかしたら消えてしまうかもしれない……そんな彼女。


歌を聴いている時、周りにいる人と何ら変わらないNEWSファンとして、ちゃんと生きていた。その涙と一緒に、悪いものが少しでも零れたらいいと思った。




NEWSは直接干渉することはできないし、痛みから守ってくれるわけでもない。
その代わり、好きでいてくれる全員に愛と希望を与えてくれる。寄り添ってくれる。明日も続いてく日々に、ささやかでもいいから幸せが降るように。




正直、彼女が今も生きているのか、NEWSのファンなのかわからないけど、どうか良いことがあってほしい。


NEWSに会って、希望の光を見てほしい。笑顔になってほしい。
あなたの腕に流れるのが、赤く滴る血ではなくて、嬉しく温かい涙であってほしい。



そして、明日もNEWSがいる世界で、少しでも一緒にいる時間が幸せなものであってほしい。


君に幸あれ、

そうNEWSは言い続けてくれるから。